以上のように、消費者の意思決定モデルに加えて、広告メッセージの消費者への到達の観点から、さまざまなモデルが提唱されている。最近、後者の観点から多くのモデルが提唱されているのは、消費者の購買に至るまでのプロセスが多岐にわたっているからであり、特にその出発点となる情報源が消費者によってさまざまであるためである。具体的には、同じ商品を購入するのでも、店頭での情報が購買の出発点ならば刺激−反応型であり、認知段階からじっくり考えていくなら情報処理型、SNSなど購買者の発する情報からスタートするならば購買後の情報共有から、であり、消費者は何処からでも市場に入ってくる現状を示している。こうなると、一人の消費者の意思決定や情報の流れを考慮した従来型のモデルでは不十分で、その消費者の考えが拡散し他人に影響するところまでを含んだモデルを考える必要が出てくる。この点については実証分析後、第4節で提言していく。