「おい、天、これは一体」 「しっ・・・楽静かに・・・九条さんに全部話が伝わっている。楽や龍が報告した訳でもないのに・・・ボクが報告する前に陸の事を九条さんが知っていた」 「おい・・・それって」 「陸の事、最初は九条さんに報告しようと思っていたけど、こんなに怯えている陸を見ていたら、暫くは内緒にしておこうと思ったんだけどね・・・九条さんが『神の子』と呼ばれている陸に会いたい・・・そうだよ」 「・・・どの道、会わせるしかないのか・・・」 「こんな状態の陸君をか?」 龍の腕の中、龍の軍服をギュッと握りしめ、大きな瞳には涙を浮かべていた。ボクだって出来れば会わせたくはない。もう少し陸の精神面が落ち着いてからの方が良いとは思っているが、九条さん、いや、軍の最高階級にいるお方の命令は絶対だ。「陸、今から会って欲しい人がいるんだけど良いかな?」 「・・・っ」