「よく考えたね、天。だがそれはただの空想に過ぎないよ。僕は君の父親で、息子の交友関係が気になった。それだけだ」 「そんなの納得がいきません!ボクは見たんだ!!あなたは何かボクに隠し事をしているんでしょう!?答えてください!あなたがボクに――」 「天。これ以上の詮索は許さないよ」 「…ッ!!」九条の有無を言わせぬ声とまなざしに、天の言葉は遮られ、天は何も言えなくなった。「天。君は僕の夢だ。僕に口答えすることは許さないよ」 「…すみませんでした。九条さん」 「わかれば良いんだよ。さて、理も呼んできてみんなでお茶にしようか」そこで話は打ち切られたが、天はやはり納得いかなかった。 九条だけが知る真実は、自分や陸の人生を大きく変えるものなのではないか。 そんな気がしてならなかった。