『GAME〜スーツの隙間〜』の無料試し読み ”まんが王国”が人気です検索窓に「スーツの隙間」と入力
会員登録なしで無料で試し読みできます。
『GAME〜スーツの隙間〜』1〜19巻 ストーリー
税理士事務所に努める藤井小夜は、27歳にして副部長のバリキャリ。
ここ最近は失恋の痛手を忘れるために、さらに仕事に打ち込んでいた。
どんな時も仕事が最優先だった小夜。
彼氏とベッドで肌を合わせている時でさえも、取引先からのケイタイが鳴れば出るということを繰り返し、とうとう愛想をつかされてしまったのだ。
そんな状況下で、小夜は新卒社員・桐山の指導担当になる。
桐山の涼しげなルックスと有能さは、いかにも女子ウケしそうだった。
それに加えて自己紹介でのエピソードから、桐山は相当遊んできた男だと直感。
小夜は警戒して指導にあたる。
案の定、桐山は小夜の気を引こうと、あの手この手で言い寄ってきた。
毎回バッサリと切り捨てるのだが、桐山はへこたれない。
あまりにもしつこくて、小夜はとうとうキレる。
「この際だから言うけど、フラれたばかりなの。
私はあなたみたいに、ゲームの様にコロコロ相手を変えたりできない」
「そんなに好きだったんですか。
僕は逆にそういう恋愛をしてきてないので、一人の相手に固執する理由がわからないですね。
たまにはどうです?
そういう恋愛も楽しいですよ。」
「そういう恋がしたいなら、他のコとやって」
完全にキレた小夜は平手打ちして、桐山を牽制するのだった。
桐山の前では強気を装っていた小夜だが、桐山の”そんなに好きだったんですか”という言葉が頭を離れなかった。
どの彼氏とも、それなりに楽しい時間を過ごしてきた。
だけど、仕事の方が大事だったということは、本当は誰のことも好きではなかったのか___。
小夜はさらに落ち込んでしまうのだった。
小夜はこの心の痛みを忘れるため、さらに仕事に集中していた。
男性社員たちは、そんな小夜を陰で批判する。
「もうアレは女じゃねーわ」
そばを通りかかった小夜は偶然聞いてしまう。
失恋の傷口をえぐるには十分な言葉だった。
会社では気丈に振る舞い、批判する男性社員たちにツッコミを入れる余裕があった。
けれど、一人になるととめどもなく涙が溢れてきてしまうのを、どうすることもできないでいた。
そこになぜか桐山が。
さりげない優しさを見せられて、キュンとしてしまう小夜。
気持ちが弱っていたのもあって、そんな桐山につい心を許してしまい、一線を超えてしまうことに。
まるでガラスを扱うかのように優しく抱かれた小夜は、溶けてしまいそうだった・・・・。
お互いのカラダの相性が良かったことから、期間限定の「GAME」を始めることになる。
ルールは「お互い好きになるまで付き合わない、他に好きな人ができたらおしまい」ということに。
「本気の基準は何ですか?」
「・・・え?」
「藤井さんのことは好きです。だけどこれが恋かときかれたら正直わかりません」
「・・・嫉妬・・・かしらね」
本気にさせてみせると宣言した桐山は、事あるごとに小夜に甘い言葉を囁いてきた。
内心ドキッとしてしまうが、落ちてしまったら桐山の思う壺。
ハードワーク気味の小夜の体を気遣う言葉でさえも、素直に受け取ることができずにいた。
「嫉妬させてみますよ」
その言葉通り、小夜に甘いことを囁く一方で、他の女性社員に近い距離感で優しくしたり、小夜の気持ちに揺さぶりをかけてくる。
そんな桐山にドキッとしてしまう小夜だったが、今のところ恋愛感情に発展しそうもないと思っていた。
桐山との関係が1ヶ月ほど経った頃、小夜は桐山に抱かれることが心地よくなっていた。
多分桐山もそうだろう。
だからと言ってこのゲームの何かが変わるわけではない。
相変わらず桐山は囁く甘い言葉を囁いてくるけれど、つれない返事を返し本気にしないように心がけていた。
だってこれは桐山の作戦で、ゲームに勝つための嘘。
仕事の飲み込みが良い桐山は、小夜が残業しているとフォローもしてくれて頼もしい存在になっていく。
全部嘘、そうわかっていても小夜の気持ちは揺さぶられていくのだった。
割り切ってしまえば楽しいゲームなのかもしれない___。
桐山との関係を続けていくうち、彼は嘘を言っているんじゃなく思ったことをそのまま言っているだけ___。
小夜はそう信じられるようになっていた。
素直に信じられなかったのは負けたくない気持ちもあったけれど、彼のクールな表情からは感情が読み取りにくいのだ。
これまでつれない返事を繰り返していたけれど、少しずつ小夜の態度は軟化してきていた。
恋人のように優しく抱いてくれる桐山にトキめいていたり、モノ扱いするような乱暴な抱かれ方をして終わりになりそうになったこともあったけれど、桐山の希望で関係を続けている。
小夜はゲームの勝ち負けにこだわらなくなっていた。
お互いのカラダが好きで気持ちいい。それだけでいい___。
同僚の誘いで、男女6人で海水浴に出かけることになった桐山と小夜。
もちろん2人の仲は同僚たちは知らない。
女子から人気がある桐山は引っ張りだこだったし、小夜は日焼けを避けるために水着を持ってきていなかったため日中は別行動になる。
桐山も小夜も、それぞれ一緒にいる異性のことが、何となく気になったりしていた。
夜、お酒の席の王様ゲームで桐山が同僚とキスをするのを見た小夜は、動揺してしまう。
桐山のことを好きになってしまったことを自覚した小夜は、決断をして___?!