羽夜 side桜が咲き誇る季節。そう、3月、卒業の日。私はまだ高校二年生だから、卒業は一年先だけど、私の好きな人は_。さとみ先輩は、卒業するであろう友達と一緒に写真を撮ったり、話したりしている。それに、同級生から、後輩から告白されている。そりゃそうだよね、カッコイイんだもん⋯。好きにならない訳がないよね。でも、誰も断っていた。どんなに綺麗な先輩だって、どんなに可愛い後輩だって、断る理由はただ1つ、「好きな人がいるから。」勝てっこないよ、さとみ先輩。でも、今伝えなきゃ、絶対後悔する。さとみ先輩のために、メイクもオシャレも頑張った、それだけは見てほしいなって⋯⋯。さとみ「羽夜。」『せ、先輩⋯⋯!?』さとみ「先輩だよー笑、みんなのところ行かなくていいの?」『は、はい、大丈夫です⋯⋯』卒業式のために綺麗にセットされた髪の毛と、綺麗な顔立ち、シャキッとした制服。いつもと違うけど、紛れもなくいつもの先輩だった。さとみ「俺さー、好きな人がいてさ。」『⋯⋯知ってますよ。』そう言ってさとみ先輩は、大きな桜の木から一つ、束を摘む。さとみ「なかなか気づいてくれなくて笑、いやぁ、俺から告白するんだろうけどさ、ホントは。緊張しちゃって。俺ってホントダメだなぁ笑」苦笑いして手にある桜を眺める。でもその桜は風に吹かれてなくなってしまった。なんでそれを私に言うのだろうか。なんでさとみ先輩の好きな人の話を聞かなきゃ行けないの⋯⋯。『⋯⋯待ってるんじゃないですか、ほらみんなもう2次会行ってますし、先輩も⋯⋯』さとみ「気づいてないの。」『え⋯⋯?』さとみ「俺、さ。羽夜が好きなんだけど。」『⋯⋯冗談はよしてください、遊んでるんですか⋯⋯!』さとみ「俺は本気、だから誰に告白されようと断ってきた。」『ほんと⋯⋯ですか⋯⋯?』ちらっと見たさとみ先輩の頬が、ほんのり赤くなってるのをみて本当なんだと感じた。さとみ「こんな、告白もできないほどダッサい俺だけど、付き合って⋯くれる?」『⋯ツ!もちろんです⋯⋯!!』大きな桜の木の下、私たちは唇を重ねた。私の恋は、実りました__。