陸は環に対して、罪悪感があった。 今、戸籍上環の実の妹である理と家族という関係に当たる。 家族が居ない辛さは陸には痛いほど理解している。 だからこそ、自分が理と兄妹になってしまったことが後ろめたいのだ。「それに、りっくんとてんてんがあのおっさん海外に追い返してくれたお陰で理に会えるんだろ?」環は環で思うところはある。 けれど、環は陸のことが好きだ。 だから許すことにした。 陸が居なくなってしまうのは悲しいから。「あと、りっくんのこと、大嫌いって言ってごめん。本当は、大好きだから」 「…うん。知ってる」陸は環の言葉を聞いて、一瞬目を見開き驚いたような表情をしたが、少し照れくさそうな顔をしながら満面の笑みを浮かべた。