「えーと……これからの設問で貴方は一人だけ頭のなかに思い浮かべながらお答えください」 まさによくある流れだ。「それによってわかるのは貴方が思い浮かべる人への貴方自身の深層心理です。……なるほどね」 大概こういったサイトは当たり障りのない事柄を述べるだけだ。 まぁ、私は結構信じちゃうんだけど。この前も占いサイトの結果を信じてたら千聖ちゃんにくだらないって言われちゃったし。 とりあえず、一人決めなければならない。「んー、あ、紗夜ちゃんにしよっと」 直前まで紗夜ちゃんのことを考えてたこともあって、真っ先に思い浮かんだのは紗夜ちゃんだった。 紗夜ちゃんか……これで仲良くなるきっかけとかあればいいなぁ。 さっそくサイトのページの『診断開始』をタップした。ページが切り替わり、質問が始まる。『貴方は暗いですか? 明るいですか?』 形式的には二択のどちらかを選んでいくらしい。問題数は『1/25』とある。つまり私が25個の質問に答えれば、紗夜ちゃんに対する心の奥底がわかる、というらしい。「あはは……ありきたりだなぁ」 とりあえず『明るい』を選択した。するとページが自動で移り、次の質問が表示される。『貴方の好きな色は赤系ですか? 青系ですか?』 前の質問とまったく関係ない質問だ。だからこそ深層心理なんてものがわかるのかもしれないけど。 私の好きな色はピンク。だって一番女の子らしいし、とっても明るくて可愛いから。それに私自身のイメージカラーみたいなものだからね。 ピンクだから赤系。回答の『赤系』を押そうとした私は、何か胸に違和感というか、モヤモヤっとしたものを感じた。 ピンク……ピンクのはずなんだけど、何か別の色が頭の隅をちらついている。 イメージ的には冷たい感じ。だけど酷い冷たさじゃなくて、透き通ったというか、こう涼しい感じだ。「……あ、あれ?」 そんなことを考えていたら、いつの間にか手に持っていたスマホは次の画面へと移っていた。 時間制限があったのか?