そんな言葉を残して帰って行った。ボクは布団に大人しく横になり寝ようと目を瞑る。だけど、陸のことがチラついて寝付けない。なんだか落ち着かなくてボクは布団から抜け出し、服に袖を通す。外に出ると空気が冷たい。そのまま特に目的地も決めずにふらふら歩いているといつのまにか陸の墓地まで来ていた。もしかしたらあの光にまた包まれて陸に会えるかもしれない…無意識のうちにそう思ったみたいで気付いたらここにいた。 陸のお墓に向かっていると一人の人影が見えた。誰かの墓参りかな…?と思いながら歩みを進める。近くにつれて陸のお墓の前にいるらしいことが分かった。もしかして父さんか母さんか?と思ったがこんな時間に来ることはないだろう。だとしたら一体…とドクンドクンと心臓が脈打つ。その人物をはっきりと見てボクは今までにないほど驚いた。「り……く?」その人はビクッと肩を揺らした後、ボクを見つめた。その赤い髪に赤い瞳。間違いない、ボクの最愛の弟である陸だ。「…天にぃ……」これはもしかしたら夢…?と陸にかける言葉が見つからない。「天にぃ…もしかして夢だと思ってる?」 「え?」 「やっぱりそうなんだ!でもこれは夢じゃないよ」 「ほん…とに?」 「うん」 「ほんとに…陸、なの?」 「そうだよ、天にぃ!」今まで我慢していた涙が溢れてきた。そんなボクに陸が勢いよく抱きついてきた。そして「ただいま、天にぃ」とぎゅっと更に抱きしめる力を強めてきた。そんな陸に「おかえり…」と震え声でも何とか言うことができた。その後はお互い何かを発することもなくただただ抱き合っていた。涙も引っ込んできた時に陸に尋ねる。「どうして陸が…」