「…ん、くっ…、ひぁ!きゃあああ!!」 しかし、鈴奈の手がある部分に触れた時、神來の体が悲鳴と共にビクリと跳ねた。鈴奈の手がピタリと制止する。「…あら?どうしたの?」「あ、あ、あぁ!そ、そこ…!ふふ、くぅっ!だめっ!は、離してえぇ…ッ!!」 神來が今まで以上に激しく身を捩り始め、鈴奈は少し困惑する。神來は「そこはだめ…!」とだけ繰り返し、必死に腕を下ろそうと、拘束具を激しくギシギシと鳴らしている。神來の表情は、先程のよがっている表情ではなく、口の端が上がらないように必死に堪えているようだった。 鈴奈は自分が今触れている場所に目を落とす。 そこは、1番無防備に晒された、引き締まった脇腹だった。 もしかして、と、鈴奈は神來の脇腹付近を掌で撫でる。「くううぅっ…!んん、ふふっ、く、うぅ…!」 次に、クニッ、と脇腹を優しく摘んでみた。「ひっ!ひいぃ、ふっ!ん、んん!ふふふ、んん~~ッ…!!」 神來はビクビクと体を震わせながら、くぐもった息を吐き出す。「数珠さん、脇腹が弱いの?」「…っ!!ち、違います!脇腹、なんて…!何ともぉ…ッ!!」 鈴奈が神來の脇腹を軽くさすってやれば、それに反応するようにビクビクと跳ねる。こんな分かりやすい反応をしておいて、弱くないなんて嘘が通じるわけがない。 しかし、鈴奈は面白がって神來の嘘に乗ることにした。「そうなの…じゃあ脇腹は触っても大丈夫ね?」「……っ!!?…そ、そうです!大丈夫です!」 神來は一瞬戸惑う表情を見せるが、すぐに強がってみせる。鈴奈はそれを面白がりながら寝台に登る。神來の太ももあたりに跨り、自分の太ももで神來の腰をガッシリと固定する。そして、脇腹にそっと優しく手を添えた。 たったそれだけなのに、神來は手首を拘束しているベルトをギシッ!と激しく鳴らす。 そんな様子を見て、鈴奈はゆっくり、じわじわと脇腹に指を滑らせていく。「ひっ!ひ、うぅ!ふふふ、くううぅ~ッ!!」 神來は目をギュッと瞑り、耐えるようにくぐもった笑いを漏らす。まだ本格的にはくすぐらず、指の腹で脇腹をなぞったり押したりする程度だ。「ぐっ、んん、ふぅぅ~っ!ひぅ…!」「あら、本当…全然効かないわね~」 鈴奈はそう呟きながら手を離す。すると、神來の脇腹に入っていた力が抜けた。神來はほっと息を吐き、鈴奈の方を見る。 すると、鈴奈は神來に見せつけるように、両手の指をワキワキと蠢かしていた。「じゃあ、こんな風にくすぐっても平気よね?」「ひぃっ…!いや、やめて…!」 神來はそれを見ると表情を恐怖に染め、激しく抵抗を始める。手足の拘束具を鳴らしながら、腰を捩って逃げようとする。「10…9…8…7……」 鈴奈は焦れったくカウントを始め、それと同時にワキワキと蠢かせている指を、神來の脇腹に近づけていく。 神來は痛いほどに手足を広げて拘束されているため、脇腹には皺1つ無くピンと張っている。くすぐるには最適だ。そんな脇腹をプルプルと小さく震わせながら、これから来るであろう刺激を予想して神來は顔を引きつらせた。「6…5……4~~~~!」「ひゃぁん!?あっあっあっ!あぁ~~ッはははははははははは!いやあぁ~っはっはっはっはっはっは!!」