「七瀬陸!!あんたのせいで・・・あんたさえいなければ!」なんてことのないいつもの昼下がり、先に授業を終えた陸は天が来るのを大学構内の中庭のベンチで座って待っていたら、突然見覚えのない女性から声をかけられた。それも、陸にはどうしてそう言われるのか分からない言われようだった。「えっと・・・ごめんなさい、どなたですか・・・?」 「はぁ!?あんた本気で言ってんのそれ。」 「・・・ごめんなさい。分からないです。」困ったように笑みを浮かべて、陸を睨みつけてくる女性に言えば、顔を真っ赤にしてワッと陸を怒鳴りつけ始めた。突然の大声にビクッと肩を揺らして怯えた目を向ければ更に油を注いでしまったのか、業火のように怒り狂う女性に陸はただただ怯えた。周りで見ている人は女性に共感するようにうんうんと頷く人か、触らぬ神に祟りなしとばかりに遠巻きに見ているかのどちらかで陸に味方してくれる人はいなかった。どうしてこんな怖い目にあっているのか分からない陸はひたすら心の中で天に助けを求めた。「陸?」 「っ天にぃ!」