それは囁く様な、切なげな問いかけだった。 『 ねえ、陸。まだ、ボクのことが好き?』 ━━━...なんて、狡い聞き方だと、陸は思う。 好きなんて言葉じゃ、全然足りないよ。 オレはね、天にぃを誰よりも愛してるんだよ。『 TRIGGERの楽屋に遊びに来いよ。』 そう八乙女さんからラビチャで誘われて、撮影の仕事も終わって一人暇を持て余していたオレは天にぃに会いたくてTRIGGERの楽屋にやってきた。 八乙女さんからのラビチャだったから彼と十さんもいるものだと思っていたが、楽屋にいたのは天にぃ一人でオレがノックをして入ってきた瞬間、天にぃはぽかんとした顔をしていた。 「どうしたの、陸。」 いつもより無機質な声だった。 名前で呼ばれたはずなのに、一瞬反応に困ってしまう程に冷たくて。 オレは何故か心臓がじくじくと痛み始めるのを感じていた。 「あ、あのね、八乙女さんが...楽屋に遊びに来ないかって...それで...」 「そう...楽が」 今にも舌打ちしそうな勢いで不機嫌さを隠しもしない天にぃに、折角二人きりなのになんだか悲しくなってくる。 もしかしてオレ、タイミングが悪かったのかな。 八乙女さんも、十さんもいないし...。 そわそわと落ち着かず視線をさ迷わせるが、結局天にぃから視線を逸らすことは出来ず、怒ってても天にぃは綺麗だなぁ、なんて、天にぃの顔を見つめながら改めて思った。 でも、心なしか天にぃの顔色が悪い気がするのは気の所為なんだろうか。 じっと天にぃを見つめていると、不意に視線がかち合った。 「ねえ、陸。...悪いんだけど...」