俺は貴女が考える程、強くはないからです」「でも君は……龍殺しドラゴンスレイヤーだ」「黒龍討伐に俺は限界以上の力を使い――そして今。貴女を守るために彼らも限界を超えました。残念ですが、お喋りはここまでのようです」 何のことか分からず、きょとんと首を傾げる彼女は俺の強さを疑っていない。 けれど。「殿下。俺の負けなんです」「え?」 次の瞬間、俺の魔法が崩れ去る。 カリーナ姫もそこで気付き、顔を上げた。「もし貴女の騎士達があの場にいれば――彼らは死に物狂いで貴女を助け出し、結果的に龍殺しの栄誉を得ていたのは彼らでしょう」 それは幾線もの光線だ。 神童として名を馳せた俺の魔法が溢れる光に浸食される。 風を打ち抜く光筋は、彼らが振るう剣の証。