販売促進型VMDとは?
ビジュアルマーチャンダイジングは、広告や販促とは違って品揃えに 連動した売場の表現の技術である・・・とお思いかもしれません。
確かに、デパートや専門店のビジュアルマーチャンダイザーは品揃えとそれに関わる売場での展開分類・・・どうやってお客様にわかりやすく陳列するか・・・と、ウインドウや棚上の ディスプレイを考える担当者でもあります。
しかし、最近はVMDは販売促進、つまり広告の一種であるという考え方をする企業が私のまわりにも増えてきました。
この間「アドバタイムズ」という広告業界の新聞に目を通したときに知ったのですが、企業の使う販促費の中で
● 什器・展示台・マーチャンダイザー の比率がPOP広告に次ぐ高い伸び率でした。
POPも売場の一部ですから、企業の販売活動は店頭に向かっている・・・といってもいいでしょう。
ここでいうマーチャンダイザーとは、売場での商品販売要員を指します。ヘルパーやデモンストレーターと考えていただければけっこうです。
この記事を読んで感じたことは、お店の売場づくりを考えるに当たって、販売促進をも取り込んだVMDが、これからの売場づくりに不可欠ではないのかな、ということです。
では、販促を加味したVMDとは?
主に考えられるのは次のタイプ。
● マス広告と連動したビジュアルプレゼンテーション
→アップルコンピュータがi-Pod売場で行っているようなテレビCMなどのキービジュアルをポスターやカラーリングで展開している手法です。
● 販売員と連動した接客VMD
→接客しやすい売場展開があれば、販売員が説明しやすくかつお客様も理解しやすいはず。結果として買上げ率が上がります。説明が必要な家電メーカー、化粧品メーカー、アパレルメーカーなどに必要な技術ではないでしょうか。
● VMD展開分類と連動したPOP展開
→VMD展開分類は、お客様に商品が選びやすくなる特定カテゴリやブランドの売場配置手法ですが、この配置に合わせてPOPを分類サイン化するという手法。
これをサインPOPと当社は言っています。ドラッグストアでは、資生堂などの化粧品メーカーがよく採用しています。
上記は端的に言うと、販売促進型VMDです。
VMDは日本では、商品部・店舗開発部といったセクションの方が主に担当されるケースがありますが、これからのVMDは販売促進または広告部の特化したルーム的な部署が必要となりましょう。
私どものクライアントでも、VMD推進室がだいぶできてきました。これからも売場づくりに特化した広告宣伝ルームが増えてくるでしょう。
古くは、MDから立ち上がってきたVMD。 主にデコレーターが行うディスプレイや商品部が行う棚割りがVMDとされてきましたが、これからは販売促進の重要な手段としてますます需要が 高まってくと予想されます。