「あっ!あった、あったよ!天にぃ」「本当だね、まさか庭園を抜けた先にあるなんて」「ね!早く入ろ!」ワクワクが止まらないといったように目をキラキラさせながらこちらを見る陸の姿に天使かなと真顔で呟く天だったが、その声は陸には届かずただ首をかしげるだけだった。またその仕草にも悶えそうになるを我慢して、少し冷静になろうとプールの縁に座りズボンの裾をあげてから月の朧影が映る水へとそっと足をつける。陸もニコニコしてその後に続くようにスカートの裾を太腿までたくし上げて天の横にぴったりとくっ付いて座った。「…ありがとうございますっ!!」「っ!?えっ、何?どうしたの、天にぃ」こちらをジーと見つめていた天にぃがいきなり声をあげ、ビクッと驚いてしまった。何だかさっきから天にぃどうしたんだろう?きっと、撮影の疲れがでているんだろうな。でも、やっぱりこうして今、天にぃの横にならんで座っていることの方が幸せで思わず顔がにやけてしまうなぁ。「?どうしたの、陸?」「ふふ、ううん、ただ幸せだなぁって」「…、ねぇ陸…今までごめ「ちょっと、ストップ」いきなり口を手で塞がれ少し驚いたように目を開く天にぃに、ごめんねと謝り、でもその先の言葉は言わせないよっとヘラッと笑って見せた。そう、謝罪なんて欲しくない。そんなことを言われたら酷く心が苦しくなる。「天にぃ、オレはね。今までのことを後悔なんて1つもしてないだ。それは、天にぃと離れたこと母さんたちに要らない子って言われたことはめちゃくちゃ苦しくて辛かったよ… 思い出しただけでも胸がギュッてなる」「陸…」そっと抱きしめてくれる天にぃの暖かな温もりに涙が出そうになるのを耐えて言葉を続ける、どうか聞いてほしいオレの想いを世界で1番大好きなあなたに。