マスターに言われて視線を落としたガクは、白と黒のフードを被った二人の子供がいることに目を見開く。「なっ・・・お前ら!外で待っとけって言ったろうが!」 「リクがお腹空いたって」 「ガクさんごめんなさい・・・」しゅんと項垂れるリクと呼ばれた男の子のお腹がキュウ、と鳴る。その音を聞いて最初に言葉をかけたのはマスターだった。「そうかそうか、腹が減ったんか。なら食って行くといい。今女房に頼んで来るからな。」そこのカウンターに座って待ってなさいと言って奥の調理場へと消えたマスターを見送ってからガクは深い溜め息を一つ吐く。そのことにビクリと肩を揺らしたリクにガクは怒ってるわけじゃないと頭を撫でる。「悪かったな、腹減ってたのに気づいてやれなくてな。」 「ううん、ガクさんが帰って来てからでも大丈夫だったんだよ?でもね、リクのお腹がずっと鳴くんだもん・・・」 「ガクのせいでリクが飢え死にしたら呪うから。」 「やめろ。お前が言うとシャレにならん。」 「テンにぃ何でもできるもんね!」