なんだか羨ましくなった。
「いいな。赤ちゃんか」
ペタペタと砂の山を固める。
「穂乃果ちゃんも赤ちゃんが欲しい?」
「えっ、でも私、すきな人もいないし」
「帆乃香ちゃんは、もう結婚する人がいるんじゃない」
「慎一くん?」
慎一くんはわたしの「いいなずけ」っていうらしい。おっきくなったら結婚するっていってたけど、ぜんぜんそんな気がしない。
「うーん。よくわからないよ。あんまり会えないし」
慎一くんは少し遠くに住んでいるので、お正月とか夏休みにしか会えない。
「だよね。でもね、やっぱりあかちゃんは好きな人のがいいよ」
「すきな人……」
けっこんって何をすればいいのかよくわからないけど、好きな人というのもよくわからない。
だけど、なぜかぼんやりと頭に、愛理ちゃんのお父さんの顔が浮かんだ。
「あ、すきな人がいるの?」
「えっ、い、いないよ」
慌てて首をブンブンふる。
「ふーん」
そ、そうだ。お腹のポカポカのことを聞こう。
「あ、あのね。愛理ちゃんに聞きたいことがあるの」
「なぁに?」
「えっと……この間の遊びに行った時、変なことした?」
「……へぇ。どうして」
なんだか愛理ちゃんの目が怖い。
「前に……愛理ちゃんの家で寝ちゃったよね」
「うん」
「その時に、へんなゆめをみたの」
「どんなの?」
「愛理ちゃんのおじさんがね。ナカに入ってきたの」
「……」
「さいしょはね、すっごく痛かったんだけど、すぐにすっごい気持ちがよくて、フワフワして、死んじゃったかと思ったの。そしてすっごく熱かったの」
なんだか、話しててすごく恥ずかしい気がしてくる。
愛理ちゃんはじっと私の話を聞いていてくれてる。
「そしたらね、夢でおじさんがよくでてくるようになったの。お腹の中がぐるぐるってして気持ちよくなってくるの」
「……ふふっ、帆乃香ちゃんって…………とってもすごいね」
愛理ちゃんが笑う。変なときの愛理ちゃんしかしない顔だ。
「すごいってなにが?」
「うん。とっても素質がある。多分、逆流してるんだと思う。この子から」
愛理ちゃんがお腹を撫でる。
「ぎゃ、くりゅう?」
よくわからない。
「あのね……わっ」
「きゃっ」
いきなりボールが飛んできて、愛理ちゃんとふたりで作っていた砂の山が崩れた。
「へへっ、なーにやってんだよっ」
ボールの主は誠くんだった。さっきまで向こうで他の子と遊んでいたのに。誠くんは愛理ちゃんが楽しそうだといつも邪魔しにくるのだ。
「もうっ、こんなときにっ!」
今日みたいに、変なときの愛理ちゃんはあんまり相手にしないけど、珍しく怒った。
「はーい。時間ですよー」
そんな時に先生の声が遊具場に響く。遊びの時間が終わったのだ。
誠くんはこれ幸いと逃げ出した。
「っもう」
「いこっ、愛理ちゃん」
私達も片付けて、先生のもとへと向かう。
そこから、今日は愛理ちゃんと話をすることが無かった。
※※※
家に帰ってお風呂に入る。最近は一人で入れるようになった。
髪をシャワーで洗い流す。これもシャンプーハットを使わなくて良くなってきた。
正面を見ると、鏡に椅子に座る自分の姿が映っている。
みんなが綺麗だと言ってくれるけど、長い髪の毛は洗うのが面倒くさい。
足を左右に開く。
鏡に、股間の中央のスジが映る。
おしっこをする部分だとずっと思っていたけど、夢のなかでおじさんにペロペロとされた時はとても気持ちが良かった。
そっと手をのばす。おしっこの穴とは違う場所へと手をのばす。お母さんは触っちゃだめだって言っていた場所だ。
いつも朝、変な汁が出てくる場所。
濡れた指がくちゅりっ入った。入り口で指を前後に動かす。
くちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ
「ふわぁ」
気持ちいい。夢の中ほどじゃないけど、頭がふわふわする。
指をさらに激しく動かす。
くっちゅくっちゅくっちゅっ
水だけでなく、中からじくじくと溢れてくる汁が指に絡みつく。
ぷっくらと膨らんだ小さなお豆をつまむ。
「んぁっ」
激しい快感で、身体がビクッとする。
もっと長い、太いものが欲しい。
いっぱいグチョグチョしてほしい。
奥にドピュドピュして欲しい。
いつの間にか、大きくお股を開いて指でくちゅくちゅと穴をいじっている姿が鏡に写っている。
両手で激しくお股をいじっている姿は、とっても恥ずかしくて、とってもダメなことで、とっても気持ちいい。
ぐっちょぐっちょぐっちょぐっちょ
ダメなことだと思うのに、指が止まらない。
そこにいるのは、いつもと違う姿。いつもお人形さんみたいとか、可愛らしいとか言われているけど、鏡に映る自分は違う。きっとこの姿を見られたら怒られる。怒られるようなダメな気持ちいいことが止められない。