双魚宮の黄金聖闘士ルゴニスの弟子アルバフィカが師と「赤い絆」を結び始めてからしばらく経ったころ… ちょうど子供から少年への過渡期でもあり、心身の発育は目覚ましい。戦士としての鍛錬も教養の勉学も深まってきた。体が発育すれば当然、男性としての機能が発現する時期でもある。 ある朝のこと、アルバフィカは異常に早起きをしてシーツと寝巻を洗濯していた。 「どうした?」 ルゴニスは起き出してくるなり声をかけた。 「あの、急に洗濯がしたくなりました」 アルバフィカは平静を装っているが、ルゴニスには内心の動揺を見抜くことができた。 「そうか」 ルゴニスはあえて深追いせずに自らは朝食の支度を始めた。この師弟は他人の作ったものを食べることはするが、自分たち以外のためには決して調理をしない。万が一にも体の毒が混入することを避けるためであった。 アルバフィカが洗濯を終えると二人は朝食をとった。 「今日は授業が終わったらすぐに帰ってきなさい」