半分になった自分の剣を、シリル団長は茫然と眺めていた。信じられないといったように軽く頭を振ると、総長を見つめる。「……確認ですが、総長。これはミスリル製で、それは鉄製ですよね。鉄でミスリルを折るって………どれだけ速度と力が乗っているんですか?! そもそも、今の踏み込みの速さは何なんですか?!!」「答えは、そこにいるお前の部下が知っているんじゃないのか、なぁ、フィーア?」………しまったああああああああああああ!!私は、ものすごい後悔で、地面を転がりまわりたい気分だった!攻撃力は、数値化できる。一般的な騎士で100だ。だから、攻撃力を付与する場合は、プラス10とか、プラス15とかという形で付ける。この付け方が付与師ができる唯一の方法だと言い換えてもいい。そう、私はやっちゃったのだ。大聖女として、精霊から教えてもらった私だけの付与方法を使ってしまったのだ。2倍、とかって。化け物クラスの総長が倍化されたら、どんな化け物が誕生するんだよおおおお。自分が使うことしか考えてなかった。あああ、私が攻撃力80として、どうして、プラス80とかの付与にしなかったのよおおお。2倍とかって。総長が500とかだったら、1,000になってしまうじゃないか!!!「フィーア、これは、国宝クラスの代物だ」