また窪塚が現場にもたらす威力もすごかったと戸田は撮影を振り返る。「窪塚さんがいないときの家族は、どこかのほほんとした空間で、静かにお互いを感じ合っていたのですが、窪塚さんが入ってくるだけで、一気に現場の空気感が変わるんです。いつもおかしなことをしゃべっている感じなのですが、一瞬で芯をついてくる。熱い情熱を持っている方でした」と存在感に脱帽する。 「演じていてすごくヘビーでセンシティブな役柄でした」と美也子という役について触れた戸田。それでも「カットが掛かると気持ちは切り替わるし、自宅には持ち帰らないタイプ」と引きずることはなかったというが「唯一、これまでで気持ちを切り替えられなかったのが『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)という作品で演じた尚という女性。かなり引きずってしまってなかなか役が抜けずに、撮影が終わったあと、なかなか次の仕事を入れられなかったんです。(共演した)ムロ(ツヨシ)さんにも『役が抜けないんです』ってメールしたぐらい。共演者にそんなことを伝えたのも初めてでした」と特別な経験だったことを明かした。