私の想いなんて誰にも解らない。 いや、解らなくて良い。 理解して欲しいだなんて言わない。 むしろ、そんな簡単に理解して欲しくなどない。 だから、私を解ろうとしないで。「どうしたの?」 やめて。「何かあったの?」 貴方には関係ない。「見てて心配だよ……」貴方に何が解るの?「話、聴くよ……?」 私の奥に踏み込んでこないで。「私、紗夜ちゃんのことほっとけない」 なんで? だから貴女に何が解るの?関係ないじゃない。「紗夜ちゃん!」「どうして!? どうして貴方は私を知ろうとするの!? 関係ないでしょう!?」「私が紗夜ちゃんのこと……“好き”だから、じゃダメかな……? わがままだよね……」 は? 好き? 私のことが?「どうして……」「どうして……って、なんでだろうね。気付いたら紗夜ちゃんのことを目で追いかけてて。そしたらなんかほっとけなくなっちゃって。紗夜ちゃんのことを考える度に胸が痛くなって」「……だから、“好き”なんだ。そんな理由じゃダメかな……?」 理解できない。私のどこが良いと言うの?「どうして私なの? すぐそばに日菜がいるじゃない。あの子は私なんかよりも何倍も優れているわ。見た目は変わらないのだからそれでいいじゃない」「違うよ……! 紗夜ちゃんがいいの! 紗夜ちゃんじゃなきゃダメなの!」 解らない。本当に解らない。