『これまではロドコルテが適当に纏めたせいで形が歪だったから……今も人間の魂として見れば異常ではあるけれど』『元々無理だったのだろう。砕かれた魂の欠片四人分を、一人の人間の魂に再構成すると言う試み自体が。 人間達が魔力を持たない『地球』では表面上は問題無かったようだが……魔術が存在する『オリジン』で死属性に目覚め、そのまま我が創ったステータスシステムが存在する『ラムダ』に転生させた事で今の状態となった』『彼の死属性魔術……【冥王魔術】スキルはパッシブ。ヴァンダルーにとって死属性の力は鼓動や呼吸……いいえ、骨や筋肉、内臓と同じ事。意識しなくても使える機能なのよ』 人間は脚の構造を知らなくても立てるし、内臓の仕組みを知らなくてもそれを機能させる事が出来る。 ヴァンダルーにとって死属性の力は、それと同然だとステータスシステムによって定義されていた。『万が一、ヴァンダルーが転生するような事になっても、彼の魂から死属性の力が離れる事は二度とないだろう。再び『地球』のように魔力が存在しない世界でも、それは同じはずだ』『彼の行く末が楽しみだけど、その分目が離せないけれどね』 そうヴァンダルーについて話し合うヴィダ達に、一旦口を閉じていたグファドガーンが問いかけた。『大神たちよ、確認したい。ヴァンダルーの魂の再構成はあれで終わったのだろうか? 零れている部分や、無数に別れている部分があるようだが』 巨大なヴァンダルーの一部から液体や眼球が零れ落ち、周囲には手乗りサイズから三メートル強までの大小様々な形のヴァンダルーが群れていた。 あの状態のままでいいのだろうかと、グファドガーンは心配しているらしい。『大丈夫よ、あの零れている液体と眼球はオーラと言うか……ザンタークの身体から発散されている炎と似たような物だから。 後、本体とは別のヴァンダルー達は御使いや加護の役割を果たす為に分離しているだけよ』