天にぃに助けられて、無事、寮まで着いた私は、安心と共に疲れが舞い降りてきた。「はぁ〜……」とため息をちきながらクッションの上にどっかりと座った。「天にぃ、かっこよかったなぁ……」なんとなく思ったことを口に出した。天にぃは、いつも私のそばにいてくれた。面倒を見てくれた。発作が起こったときは、おさまるまで隣にいてくれた。……私は、何か天にぃにしてあげたことは、あっただろうか。思い返してみると、なにも、してあげたことはない。いつも、もらってばかりだ。いつか、お返しができたら、なんて……身体の弱い私に、できることなんてないとわかっていながら、そんなことを考えた。